どうしてクリスマスはわくわくするのか? クリスマスカラー「緑と赤」の3つの秘密
12月に入り、街中はクリスマスデコレーションで華やかになってきました。
クリスマスカラーといえば緑と赤。
この2色で彩られた街を歩くと、なんだかわくわくしてきます。
クリスマス自体が楽しいイベントだからと言ってしまえばその通りですが、 それだけではない、緑と赤の色の力もあるはずです。
いや、あるのです!
ということで、yu_kiなりに考える、緑と赤の配色の秘密です。
目次
そもそもクリスマスカラーはなぜ緑と赤なの?
クリスマスと言ってイメージする色は 聖夜に輝く星の金。純潔の雪の白。などあると思いますが
やっぱり一番はじめに思い浮かべるのは 緑と赤 ではないでしょうか?
では、なぜ緑と赤が多く使われるのでしょうか?
緑…緑は常緑樹(エバーグリーン)の緑で、いつまでも枯れず長持ちすることから「永遠の命」や「永遠の愛」を表しています。
赤…キリストが十字架にかけられ、流された「血」の色を表わしています。
確かに、クリスマスツリーに使うもみの木も、クリスマスリースに使うヒイラギも、どちらも常緑樹で一年中緑の葉を付けています。
日本でも常緑樹の松は『松竹梅』で一番上のランクだし、門松などの縁起物に使われます。
古代エジプトでは復活と繁殖の神オシリスは緑で象徴されていました。
ケルト人のお祭り『五月祭り(メーデー)』のグリーンマンも自然の化身とされています。
このように、世界的に見ても緑は自然や生命の象徴であることが多く、キリストの誕生祭であるクリスマスに緑が好まれて使われているのは納得です。
また赤はキリスト教では神の愛とキリストの贖罪の血を象徴するという矛盾した意味を持っています。バチカンの枢機卿の赤い服装は、信仰心の強さを示していると言われています。
つまり、赤はキリスト教では特別な色なのです。
さらに、リースに使うヒイラギは真っ赤な実を付けますが、
常緑で真冬に目立つ赤い実をつけることから、ヨーロッパではキリスト教以前にもドルイドにより聖木とされた。また古代ローマではサトゥルヌスの木とされ、サートゥルナーリア祭(農神祭)で、知り合いへの贈り物と一緒にセイヨウヒイラギの枝を添え渡していたものを、その直後に当たる12月25日の冬至祭でキリスト教徒がまねたため、後にクリスマスにつきものの装飾となったといわれる。
出典:ウィキペディア
以上のように、人々が生きてきた土地で培った歴史や風土がキリスト教文化と合わさり、クリスマスに緑と赤が使われるようになったようです。
ちなみに、赤と言えばサンタクロースも赤い服をきていますが、こちらはキリスト教の文化や歴史ということではなく、企業の広告戦略で広まったようです。
“白いあごひげに真っ赤な衣装の陽気なサンタ”。今でこそおなじみのその姿、実は画家ハッドン・サンドブロムがコカ・コーラ社のクリスマスキャンペーン用に描いた絵がきっかけになっています。1931年から1964年まで、40点以上描かれたサンタは、クリスマスシーズンのシンボルとして、世界中で愛され続けています。
出典:コカ・コーラ
もともとサンタクロースに一定のイメージがあったわけではなく、コカ・コーラのコーポレートカラーの赤に合わせてデザインされたサンタクロースが、その宣伝効果により”サンタクロース”として定着していったようです。
では、本題のクリスマスカラーがわくわくする、配色の秘密を考えてみましょう。
秘密1.緑と赤の組合せは目を惹く効果がある
先ほど、リースに使ったヒイラギは“常緑で真冬に目立つ赤い実をつける”と紹介しましたが、なんで緑に赤は目立ついろなのでしょうか?
それは色の『誘目性』を上手く使っているからです。
『誘目性』とは、とくに何かを見ようとしていない状態でなんとなく目につく色のことをいいます。 コカ・コーラでも赤を使っていますが、赤は特に『誘目性』が高いと言われています。
街道沿いに赤の看板が多いのはそのせいです。道路は基本的にコンクリートの高明度の無彩色です。簡単に言えば明るいグレーです。周りの建物も似たような色合いのことが多いと思います。下の図を見てもわかるように明るいグレーの背景に一番目立つ色は赤です。
車を走らせながら「お腹すいたなー」と思って、ついつい赤い看板のラーメン屋に入ってしまったなんてことがおこるのは、そのためです。
では、緑と赤でも『誘目性』が高いのでしょうか?
こたえはイエスです。
なぜかというと、赤と緑は『補色』の関係にあるからです。
『補色』とは簡単にいうと、赤から青までのいわゆる7色の虹色に紫を加えた8色を、円状に並べて反対側にくる色の同士ということになります。
この円を『色相環』といって色のとらえ方によって種類が沢山あり、なかなか複雑なので、ここでは割愛しますが、どの色相環でもおおむね緑と赤は『補色』の関係となっています。
『補色』の配色は心理的にお互いの色がより鮮やかに感じられる効果があるのです。明るい光に照らされると、影がより黒く見えるように、反対だからよりはっきりとそれぞれの色が見えるということです。
つまり、もともと目を惹く赤の効果を最大限引き出す色が緑というわけです。
秘密2.緑と赤の色のイメージがいい具合に融合している。
では、目を惹く色ならなんでも”わくわく”するのでしょうか?
上の色相環で見ると、青と黄色、紫と黄緑もオレンジと青緑も補色の関係で、目を惹く色の組み合わせということになります。
どうでしょうか?
青と黄色もいい線行っているかんじですが”わくわく”というより”うきうき”に近いかんじがします。紫と黄緑もオレンジと青緑については、”わくわく”感からは遠いと思います。
『そんなのただの個人の感覚じゃん』と言われれは、その通りです。でも、色にはそれぞれイメージというものがあります。同じ時代、同じ文化に生きている人がもつ共通認識と言ってもいいと思います。『黄色い声』といったら、甲高い声を思い浮かべるでしょうし、『腹黒い人』といったら、悪巧みを考えている人というイメージでしょう。どちらも実際には黄色くも黒くもありませんが、色からある状態を連想できます。これが色のイメージです。
では、緑と赤のイメージを考えてみましょう。
赤は『情熱の赤』といわれるとおり、活動的でエネルギー量の多い色です。ただ、燃え盛る炎の色でもあり、『闘争心を燃やす』『復讐の炎』など、行き過ぎると闘争心を掻き立てる色にもなります。
それを調和しているのが、緑のイメージです。先ほど書いたように、緑は自然や生命というイメージがあります。森林浴というぐらい、緑の木々に囲まれるとリラックス効果もあります。
このように、赤の活動的なエネルギーを丁度いい具合に”わくわく”感におとしこんでいるのが緑ということになります。
秘密3.緑と赤に白を加えると無敵の配色になる
では緑と赤でデコレーションすれば”わくわく”する飾りつけができるのかというと、そう簡単にはいきません。
鮮やかな緑と赤を並べると、今度は『グレア』という現象がおこってしまいます。
どうでしょう?
街中にこんな色合いの装飾がされたら、目がチカチカしてクリスマスを楽しむどころではなく、頭が痛くなりそうです。
そこで登場するのが白です。
ふわっと降る雪。天使の衣。聖なるクリスマスのイメージにもあっています。
では白を間に差し込んでみましょう。
緑と赤の色彩がはっきりして、クリスマスのわくわく感はそのままに、目のチカチカは抑えられた思います。
この手法を『セパレーション』といいます。
白を挟むことで、赤がもたらす高揚感と植物の生命力を感じる緑のいいところが際立つのです。
まとめ
クリスマスカラーは自然や文化の影響で緑と赤を使うようになったようです。
これは、偶然だったのかもしれませんが、色の持つイメージを古代の人々も感じ取り、必然的に選んだのかもしれません。
ここまで、緑と赤の関係を書かせていただきました。少し街中のクリスマスデコレーションを見る目が変わったのではないでしょうか?
お店や街中のディスプレーを見て”わくわく”したら、是非足を止めてデコレーションの配色を確かめてみてください。赤のもつ『誘目性』を『補色』の緑が引き出し、白の『セパレーション』を上手に使ったて飾りつけられたクリスマスデコレーションかもしれません。
また、仕事でミスして怒られた。友達と喧嘩しちゃった。受験に合格するか不安。皆が楽しいそうなこの時期に失恋した。なんて、辛いことがあったら、ちょっと顔をあげて街のクリスマスデコレーションを眺めてみてください。少し気分が明るくなるのではないでしょうか?
だって、緑と赤には人を”わくわく”させる
クリスマスカラーなのですから。